手作り里山クラフト

里山クラフト カメムシ作り 葉・木の実活用詳解

Tags: 里山クラフト, カメムシ, 自然素材, 昆虫工作, 小学校教材

はじめに:身近な昆虫、カメムシを素材で表現する

里山を散策していると、様々な植物の葉や茎に特徴的な形の昆虫を見かけることがあります。その一つがカメムシです。カメムシは多様な種類が存在し、それぞれ色や形が異なりますが、五角形や六角形の平たい体を持つものが多く見られます。この独特なフォルムは、里山で手に入る自然素材、特に葉っぱや平たい木の実などを組み合わせることで、面白く表現することができます。

この工作は、子供たちが身近な昆虫であるカメムシの体の構造を観察し、自然素材の特性を活かして形にする力を育む良い機会となります。本記事では、葉っぱや木の実を使ったカメムシの基本的な作り方をご紹介し、さらに教育現場で活用する際のポイントについても解説します。

必要な材料と道具

里山で手軽に集められる自然素材を中心に準備します。

作り方(ステップバイステップ)

基本的なカメムシの形を作る手順です。

  1. 体の土台を作る: しっかりした大きめの葉っぱを1枚選び、カメムシの体の形(五角形または六角形に近い形)になるようにハサミで切り抜きます。多少いびつでも構いません。木の皮を使う場合は、適度な大きさに割るか、カッターナイフで形を整えます。
  2. 頭部と胸部を接着する: 体の土台となる葉っぱの先端部分に、小さめの木の実や別の小さな葉の切れ端を木工用ボンドで接着し、頭部と胸部を表現します。木の実の種類によっては、接着面を平らに削ると安定します(この作業はカッターナイフで行い、大人が行います)。
  3. 翅(はね)を取り付ける: カメムシの翅は、体の背面に重なり合うようにあります。別の葉っぱをカメムシの翅の形に2枚切り出し、体の土台の上に重ねるようにボンドで接着します。葉脈などを活かすとより本物らしくなります。木の皮を薄く剥がして使用するのも面白い質感になります。
  4. 脚と触角をつける: 細い小枝や枯れた草の茎を、カメムシの脚に見立てて6本(左右に3本ずつ)、触角に見立てて2本切り出します。カメムシの体の側面にボンドを少量つけ、ピンセットなどを使って脚をバランス良く接着します。頭部の先端付近に触角を接着します。ボンドが乾くまで、しばらく動かさないようにします。
  5. 仕上げ: ボンドが完全に乾いたら、油性ペンを使って目を描いたり、体の模様を加えたりして、カメムシに表情を与えます。本物のカメムシの写真などを参考にすると、よりリアルな表現ができます。

これで里山素材のカメムシの完成です。

指導・活用のポイント

この工作を子供たちの指導に活用する際の教育的な視点やポイントです。

安全上の注意

子供たちが安全に工作に取り組めるよう、以下の点に注意が必要です。

材料調達と代替素材

必要な材料を学校や地域で調達するヒント、および代替素材のアイデアです。

アレンジと発展

基本的な作り方から発展させて、さらに楽しむためのアイデアです。

まとめ

里山の自然素材を使ったカメムシ作りは、子供たちが身近な自然に触れ、観察力や創造性を育む貴重な体験となります。葉っぱや木の実といった身近な素材が、組み合わせることで生き生きとしたカメムシに生まれ変わる過程は、子供たちにとって驚きと発見に満ちたものです。

本記事でご紹介したチュートリアルや教育的なポイントが、小学校での理科や図工の授業、あるいは地域の自然体験活動などにおいて、子供たちの学びを深める一助となれば幸いです。自然の恵みを活かしたクラフト活動を通じて、子供たちが里山の豊かな自然とそこに暮らす生き物たちへの関心を深めることを願っています。